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嵐山町web博物誌・第1巻「嵐山町の動物」

第2章:森や林の主な動物たち

第1節:森林の動物と四季の変化

17.森を抜ける道で見られる動物たち

雑木林を抜ける道の写真雑木林を抜ける道は、生きものたちとふれあうことのできるとても良い場所です。散歩しながら道脇を見ると、そこには数々の昆虫類が生活している姿を見ることができるでしょう。歩をとめて、ちょっとのぞき込んでみてください。  春から夏にかけて、雑木林を抜ける遊歩道などでは、陽あたりの良い下草や低木の葉の上でマガリケムシヒキ、モモグロオオイエバエ、ホソヒラタアブなどが良く見られます。大平山周辺では特にケブカトゲハナバエという種が多く見られ、また山頂付近では、陽のあたる低木の葉や落ち葉などにとまるトラツメニクバエ、シリタカニクバエ、ハナバチノスヤドリニクバエなど、山地に多いニクバエ類が多く、クロベッコウハナアブのオスが多数集まりホバリングする様子も見られました。

 
  • フキバッタの仲間は、森の下草や林縁にすむバッタです。成虫になっても飛べるハネがないために、良好な森にたよってくらしています。ヤマトフキバッタ(左)もヒメフキバッタ(右)も秩父の山々から比企丘陵にかけて広く分布しています。ヤマトフキバッタが夏から秋によく見られるのに対して、ヒメフキバッタは晩秋のころに見られます。嵐山町はこれらフキバッタの分布の端になりますので、すみかの森はたいせつに守っていきたいものです。
  • ヤマトフキバッタの写真
  • ヒメフキバッタの写真
 
 
  • ルリビタキの写真ルリビタキは夏は高い山地の針葉樹林で生活していますが、冬は山麓に移動してきて、昼もやや薄暗いような林や渓流沿いのやぶなどにすんでいます。ツグミの仲間の小鳥です。
  • マガリケムシヒキの写真
    マガリケムシヒキは春から夏にかけて、雑木林を抜ける遊歩道などの...全文
  • アオメアブのメスの写真
    草の葉の上でじっと獲物を待つアオメアブのメス。鮮やかな緑色の複眼が...全文
  • ヤマトシリアゲの写真ヤマトシリアゲはシリアゲムシという昆虫のなかでもっとも良く見られる種です。オスのお尻にはハサミがついており、これをそらしている姿はまるでサソリのようにも見えます。道脇の葉っぱに止まっていることが多く、キイチゴの果汁や動物の死骸から体液を吸ったりしています。
  • シバカワコガシラアブの写真嵐山渓谷沿いの林を抜ける遊歩道では、春になるとシバカワコガシラアブが、はずむように飛びまわります。秩父の山沿いに見られる種で、嵐山町で見られるのはむしろめずらしいことです。