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嵐山町web博物誌・第1巻「嵐山町の動物」

第2章:森や林の主な動物たち

第1節:森林の動物と四季の変化

7.枝葉、新芽で見られる動物たち

ミヤマイクビチョッキリの葉巻
完成したミヤマイクビチョッキリの葉巻...全文
ミヤマイクビチョッキリの写真
ミヤマイクビチョッキリの成虫。体長は4ミリ...全文
 新緑の頃、雑木林の中を歩いてみると、若葉がなにやらくるりと巻かれているのが目につきます。時には筒状に巻かれたものも見つかります。なにかの虫が巻いたものだということは誰にでも想像がつきますが、実際にどんな虫が巻いているのか見た人は少ないでしょう。これらの葉巻は、オトシブミやチョッキリゾウムシという甲虫類が幼虫のエサとして、そして幼虫の身を守る部屋としてつくりあげたものなのです。この仲間は体が大きな種でも1センチメートル程度と小さく、葉巻の形や大きさも種によってだいぶ違うようです。新芽には他にもキジラミという小さなセミに近い仲間や、またチョウやガの幼虫なども多く見られます。葉の上にいる動物はほかにも数えきれないほどいますが、その多くが葉の若い初夏の頃に見られるようです。

ミヤマイクビチョッキリの葉巻のつくり方
 
  1. はじめに端から口で切り込みを入れ、葉の先端に向けてかみ切ってゆきます。
  2. 中央の葉脈の少し手前でカーブさせ、そのまま基部に向けて戻りながら切り込みます。
  3. 中央より少し先で止め、葉がしなるのを待ち、今度は先端部をきれいに巻き込みます。このとき中に通常は1個の卵を産み付けます。数は、種類によっても異なります。

雑木林の葉巻を集めた写真 雑木林の中で、葉巻を集めてみました。コナラやクヌギの若葉を上手に切って巻いてあります。小さな虫が、どうしてこんなものをつくれるのでしょう。不思議です。

山道に落ちている葉巻 大平山あたりで山道を歩いていると、よく葉巻が落ちていることがあります。「落とし文」の語源は、この葉巻がまるで昔の巻物(ふみ)のようであり、それが落ちている様子を例えたものだと言われています。

 
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