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嵐山町web博物誌・第1巻「嵐山町の動物」

第4章:河川・池沼と田んぼに見られる主な動物たち

第2節 水辺、河原に見られる動物

3.清流のトンボたち

アオハダトンボの写真
アオハダトンボは、水がきれいで水草の生える河川に生息するトンボで、5月〜6月に水辺で見られますが、全国的に減少しています。嵐山町では都幾川と槻川に見られますが、ここ数年で激減してしまいました。

アオハダトンボとハグロトンボの区別点
区別点の解説イラスト
アオハダトンボはハグロトンボにたいへんよく似ていますが...全文
 トンボはオナガサナエなどの流水にすむ種類と、アキアカネなどの止水にすむ種類とに分けられます。嵐山町には都幾川、槻川、市野川など河川に恵まれていて、これまでに17種類もの流水性のトンボが見つかっています。とくに嵐山町から東松山市にかけての都幾川は、キイロサナエやホンサナエといった県内ではほとんど見られなくなった清流のトンボたちの生息地としてたいへん貴重な場所です。丘陵地を流れる河川は、水質の汚染、護岸工事、河原への車やバイクの乗り入れ、ゴミの投棄など、生物の生息環境を悪化させる要因が多く、このため丘陵地の河川を生息の場としているトンボ類の減少が著しいのです。嵐山町の河川はこれらのトンボの生息場所として、いつまでも大切にしたいものです。

オナガサナエの写真 オスの腹部の先が長くとがっているので、オナガサナエという名が付いています。清流を代表するスマートなトンボで、オスは河原の石の上などにとまって縄張りをはり、近くに別のオスがくると追い払います。また、メスがやってくると交尾をいどみます。

 
  • ホンサナエの写真
    ホンサナエは関東地方ではたいへんめずらしいトンボで、嵐山町では都幾川や槻川でわずかに見ることが...全文
  • ヤマサナエの写真
    ヤマサナエのヤゴは丘陵地にある泥底の河川や小さな流れに見られ、春に羽化した未熟な成虫は...全文
  • アオサナエの写真
    全体があざやかな緑色をした、たいへん美しいアオサナエ。清流で5〜6月にオスが縄張りを...全文
  • ヒガシカワトンボの写真
    ヒガシカワトンボはその名の通り河川に生息するトンボで、小さな流れから幅広い河川まで見られます...全文
  • オナガサナエの抜けがらの写真 トンボのヤゴは岸辺の草や岩、橋げたなどを足場にして羽化します。羽化時期は種類によって違いますが、梅雨前に羽化する種類が多いようです。この時期、橋げたなどを注意して探すと、抜けがらや羽化の最中のトンボを見つけることが出来ます。写真はオナガサナエの抜けがらです。