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嵐山町web博物誌・第5巻「嵐山町の中世」

COLUMN

4.コラム:いろいろな石塔

 中世には五輪塔のほかにも、宝篋印塔(ほうきょういんとう)・宝塔(ほうとう)・層塔(そうとう)・笠塔婆(かさとうば)・角塔婆(かくとうば)など、いろいろな石塔が造られました。とりわけ宝篋印塔は、本来の意味では「宝篋印陀羅尼経(だらにきょう)」という仏教の経典を塔内に納めたものですが、中世では墓塔によく使われています。時代とともに形の特徴もやや変わりますが、関東形式の典型的な形は図のようなものです。

永仁四年の宝篋印塔/国重要文化財
永仁四年の宝篋印塔|写真 (箱根町教育委員会提供)
安山岩製。高さ293cm。1296(永仁四)年の造立で、銘文から製作者は大和国から来た大工、大蔵安氏(やすうじ)であることがわかります。律宗の僧忍性(にんしょう)や叡尊(えいそん)の東国布教とともに、大和の西大寺工匠(こうしょう)集団が鎌倉を中心に活動しました。神奈川県箱根町にあります。平成4〜9年度に箱根町が保存修理事業を実施。写真は修理後のものです。
  • 宝塔|図解宝塔
  • 多宝塔|図解多宝塔
  • 宝篋印塔|図解 宝篋印塔
 
  • 層塔|図解層塔
  • 笠塔婆|図解笠塔婆
  • 五輪塔|図解 五輪塔
 
「建仁二(1202)年」の宝塔/茨城県指定文化財
「建仁二年」の宝塔|写真 茨城県大和村祥光禅寺境内にある高さ140cmの宝塔です。
樺崎の層塔
樺崎の層塔|写真 二層から上の部分が欠け落ちた鎌倉時代の層塔です。栃木県足利市樺崎にあります。