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嵐山町web博物誌・第3巻「嵐山ジオロジア」

第2節:自然がつくった造形

2.岩畳に見られる模様

岩畳と節理

嵐山渓谷の岩畳の表面に見られる模様
岩畳の表面の模様1|写真1
岩畳の表面の模様2|写真
岩畳の表面には、大小の割れ目(節理)が見られます。この割れ目は一定の方向に並んでいるのがわかりますか。
これは、結晶片岩の生まれた後にできたひび割れなのです。
(スケール全長は10cm、1目盛りは1cm)

岩畳を見渡すと岩石には、垂直やそれに近い方向の、大小の割れ目がたくさん見られます。
この割れ目に切られた岩石の模様はそれほどずれていないので、このような割れ目は節理といって、断層とは区別します。

岩畳をつくる結晶片岩は地下深くの強い圧力のもとで形成されます。その後、上昇して山地をつくって地表にあらわれるあいだに、強い圧力が割れ目をつくって逃げるのです。
これが、岩石に刻まれた節理です。

嵐山渓谷の岩畳の節理系スケッチ
嵐山渓谷の岩畳の節理系スケッチ 岩畳を真上から見たとき、節理の様子をスケッチしたものです。
槻川の流れ(南北)の方向の節理が多くあります。

川原の節理は一見、不規則な割れ目のようです。しかし図化された節理をよく見ると、その方向はいくつかのグループに分けられるため、何か規則が潜んでいるとも考えられます。

ここで最も顕著な割れ目は南北方向です。これを基本に東西方向や斜めに交差する割れ目が走っているように見えます。
この南北方向の節理が槻川に影響を与え、現在の流れの方向がつくられたと推測できます。

岩畳とさまざまな模様

とんがり褶曲|写真おしかぶせ褶曲|写真
ちりめんじわ褶曲|写真ブーディン構造|写真
嵐山渓谷の岩畳の表面をよく見ると、複雑で不思議な模様が観察できます。
曲がりくねった模様、ちぎれそうな模様など、自然がつくった造形のすばらしさを感じることでしょう。これらは、海に堆積した泥や砂が地殻変動により深い地下に押し込められ、そこでの強い圧力のもとで形づくられたのです。

地質年表
地質年表
この地殻変動は、中生代白亜紀の終わりから新生代古新第三紀はじめにかけて起こった三波川変成作用です。
変成作用によってできた鉱物から、そのときの圧力は約7,000気圧、温度は約500℃と見積もられています。
この作用によって変成した岩石は三波川変成岩と呼ばれ、嵐山渓谷付近の山々をつくっています。

第2節:自然がつくった造形