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第6巻【近世・近代・現代編】- 第1章:地誌

第10節:嵐山町誌

四、村の地名

第6節:村々の地名

 はじめに蒐集した地名の中から、地形地物によるもの、信仰に関係のあるもの、制度や法制にもとづくもの、武士と関係あるものなどで、町内に唯一つというものもあるが大体、二つ以上の同じ地名や同じ性質の地名を拾い出して、その由来をたづねてみると以上のようになる。前にもいったようにこの仕事は、先ず先人の研究の成果(民俗学)を第一のよりどころとし、その土地の地形、景観などを過去に逆って観察し、村民の記憶や伝説などをこれに結びつけるという方法で行ったものである。地名の研究は出来るだけ広い区域にわたり、出来るだけ多くの地名を集めて、比較検討することが第一の要件である。私たちの仕事はこの要件を欠いている。大体町内の地名に限ったからである。従って甚だしい誤解曲解ひどい独断をおかしているものがあると思う。他日、尚一層正確な研究の現われることを期待する次第である。
 さてこれまでは各村共通のものを拾ったのであるが、次には各村ごとに、大体唯一つあり、そしてその意味が難解であるものを対象に考えてみよう。

『嵐山町誌』(嵐山町発行、1968年8月21日)
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