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嵐山町web博物誌・第1巻「嵐山町の動物」

第6章:野生動物の保護

第2節:身近な自然の保護とは

4.身近に動物の集まる場所を作ってみる

 身近な場所で自然観察が出来ることはおわかりいただけたかと思いますが、自分で観察する場所をつくってみると、さらに楽しみが増します。ここでは、身近な場所に動物が集まるような工夫を紹介します。

自然保護の発想をとり入れた公園など

ビオトープの例1:写真
ビオトープの例2:写真
 ここで取り上げたのは、湧水を利用し生きものたちの生活に配慮された公園の例です。上の例では谷津の奥に溜め池を新たにつくり、周囲の樹林地をそあのまま残しました。木橋を渡して水辺の環境へ直接乗り入れないようにし、しかも水辺の生きものが観察しやすいように工夫されています。下の場所では整備の際に、すき間の多い石垣による護岸と、荒れてしまっていた周囲の樹林地を手入れして雑木林の復元もおこなっています。これは公園での例ですから、個人でこれだけのものをつくることは難しいでしょう。そこで、誰でも気軽につくれるものを次に紹介したいと思います。

動物が集まってくるよう工夫して庭をつくる

庭作りのおじさんのイラスト 庭に動物が集まってくるようにするには、どんなことが必要でしょうか。まず、動物はよくエサを食べに集まります。鳥の好きな実のなる木を植えたり、昆虫類ではそれぞれの種が好む植物を植えることをすれば、その種はどこからともなく集まってきます。花をつける植物をたくさん植えると、チョウなどをはじめとする動物類も訪れるようになるでしょう。さらにそれらを食べる動物も見られるようになるはずです。
 また動物は繁殖のためにも集まってきます。鳥の巣箱を取りつけたり、竹筒などを利用してハチ類を集めたり、石垣や薪積み場をつくってみたりしても面白いかもしれません。池をつくることが出来れば、さらにいろいろな動物が集まってきます。水を飲んだり水浴びをしたりするもののほか、トンボなど幼虫期を水中で過ごす昆虫なども見られるようになります。こうしたちょっとした工夫により、身近な場所に動物がたくさん見られるようになるのです。これは、動物にとっても生息域を広げることになり、人と自然が共生できる街づくりを可能にします。