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第6巻【近世・近代・現代編】- 第6章:くらし

第5節:祭り・寺社信仰

将軍沢

将軍沢で獅子舞

 将軍沢日吉神社例大祭は十月二十日、二十一日の両日行はれたが、このお祭りには毎年古くから伝わつている獅子舞が奉納された、二十日には大通りを練(ね)り歩いただけであつたが、二十一日には明光寺(みょうこうじ)境内で舞つた後、五穀成就(ごこくじょうじゅ)、天下泰平(てんかたいへい)の大万灯(おおまんどう)を先頭にホラ貝、笛、太鼓を鳴らしながら秋晴れの道を静かに練つて日吉神社(ひよしじんじゃ)境内に行き「めじしかくしの舞」をもつて獅子舞は終つた。
この獅子舞は殆ど小学二、三年生の児童によつて行はれるが、という花傘を冠つた子が四人サヽラを持ち、獅子を冠る子が三人、という軍配を持つて舞の中心になる子が一人の計八人でその他笛を吹く人七人、唄を唄う人五人である、唄は「なゝつごが今年はじめてさゝらすり よかれわるかれほめてたまわれ」など四つある。本村に現在残つている獅子舞は越畑古里とこの将軍沢の三ケ所だけとなつてしまつたが、いづれも県の無形文化財に指定されている、「村としてもこのような文化財保護については何らかの考慮を払う必要があるのではないか」とある古老は語つていたがこの風習がいつ頃から行はれてきたのか、又神社の祭神は誰なのかについても定かでない。

『菅谷村報道』84号 1957年(昭和32)10月31日
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